古文の学習参考書(3)

 こんばんは。古文文法は、悩みの種にしている方も多いようですね。受験生だけでなく、社会人の方向けの講座のときにも、文法が苦手だという問い合わせがあります。現在、市販されている中で、一番使いやすいのは、『古典文法基礎ドリル』(河合出版)と『古典文法トレーニング』(河合出版)です。この本を繰り返せば、苦手意識はなくなります。ただし、解説が必要最低限しかついていないので、教師に質問しながら使うほうがよいでしょう。
 また、受験という意識で行うなら、『古典文法基礎ドリル』をやったあとで、『中里の即決古文文法入門』(代々木ライブラリー)をやると完璧です。この本は「入門」ではありません。上位校を含めた古文文法の大学入試問題が二〇〇題ついています。この本の著者は、元代々木ゼミナール講師であった中里公俊氏です(以前から体が弱かったのですが、残念ながら亡くなりました)。たいへん優秀な方でした。今でも売れている文法の問題集としては、名著といってもよい存在です。とただし、この本も教師に質問しながら進めるのがよいでしょう。つまり、「文法は独学が難しい」のです。江戸時代でも、文法の教育は人数を制限して、寺子屋方式で行われていました。そして、先輩や教師に質問しながら習得していったようです。
 では次回は、どうしても自力で文法を勉強するしかない人のための、参考書を示してみることにします。