現代文の参考書の歴史(6)

 現在、現代文の参考書で一番売り上げがあるのは、大本教出口王仁三郎の曾孫である、出口汪氏の書いた学習参考書でしょうね。書店にいくと、「システム現代文」や「実況中継」、あるいは「レベル別問題集」などの「出口の現代文」のシリーズとして積んであります。もともと、出口汪氏は代々木ゼミナールの人気講師でした。その後、東進ハイスクールに移籍して、塾の経営や出版社の経営なども行いながら、現在に至っています。オーソドックスな現代文の基本的な考え方を重視する本です。そのため、現代文アレルギーや教科書の現代文が読めない生徒用だといえます。少なくとも、ハイレベルな現代文には対応できませんから、まずは現代文の基本を固める目的で利用することをお薦めします。この本だけでは、入試レベルとしては不足ですから、もう少しハイレベルなことを教えてくれる参考書に進んでくださいね。正解の出し方も、やや直感に頼るところがあるので、もう少し緻密なものを読むとよいでしょう。