現代文の学習参考書-藤田修一・出口汪-

藤田修一は、駿台予備校で「記号でつかむイイタイコト」というタイトルで、一文ごとに対比などを駆使しながらミクロの視点で本文の「イイタイコト」をつかんでいくスタイルであった。それを文章構成ごとに読解する形でマクロの視点で発展させたのが出口汪である。基本的に、藤田修一の現代文を巨視的に行い、段落単位でわかりやすく発展させたのが出口汪であると言えるであろう。

長所としては、普通の高等学校の現代文でオーソドックスな読み方を身に付けるのに最適であり、入試問題に入る前段階としての、現代文の基本を身に付けるのに適している。現代文とは何かをつかむのに適したものであると言える。

短所としては、解答へのアプローチが甘く、感覚で説いている傾向があるため、得点力になると疑問が残る点が指摘できる。現代文が普通に読めている水準であれば、平凡な高等学校の授業とさほど変わらないと言える。現在の予備校の水準からすると、時代遅れの感じである。