三上文法のすすめ

「三上文法のすすめ」
こんにちは。今回は、三上文法のすすめを書きます。現代日本語文法や日本語教育の世界では、三上章という名前は広く知られています。生前は、あまり知られていませんでしたが、死後世界的に評価されています。『象は鼻が長い』(くろしお出版)の中で、主語についての考察を中心として、日本語のシンタクスを解明しようとしたものです。
私は、この三上章の本の愛読者で、大学生のころ、英語と日本語のシンタクスに興味があったので、よく読みました。後に、大学院特別研究生をしていたころに、青山学院大学教授の近藤泰弘氏から、「学校文法は忘れてもいいから、現代日本語や日本語教育を勉強するなら、三上章の本は全部読むのが大事。大学院生なら読んで当然」といわれました。ただ、多少難しいので読むのに時間がかかります。最近では、三上文法の解説書も出ていますので、その本を読んでから三上章の本をよむとよいでしょうね。比較的わかりやすい解説書としては、『日本語基礎講座―三上』文法入門』(ちくま新書)がよいでしょうね。
 日本語のシンタクスや日本語教育・日本語学・言語学に興味のある方には、三上章の著作をよむことをお薦めします。三上章の本が難しいなら、日本語教育に多大な影響を与えた寺村秀夫の本でもよいでもよいでしょうね。