自用語と副用語

「自用語」と「副用語」
「自用語」と「副用語」という用語があります。「自用語」とは、主語や述語などの文の骨組みに自分単独で用いられるもので、名詞・動詞・形容詞を指します。また、「副用語」とは、自分で文の骨組みとなることができず、自用語に副う形で用いられ、副詞・接続詞・連体詞を指します。京都大学名誉教授で上智大学教授を務めた、渡辺実氏は「副用語」の研究がスタートであり『国語構文論』『日本語概説』『日本語史』『さすが・日本語』などの理論的な著作があります。日本語学だけでなく、日本文学の才能もある学者で、『平安朝文章史』『大鏡の人々』などの著作もあります。また、国語教育にも才能があり、『現代文解釈の基礎』という著作もあります。
渡辺実氏の講義は、たいへん面白かったそうです。理論派で、自分で用例を作成して考察するというスタイルであるため、頭の切れがないとできないタイプの理論研究です。そのため、弟子が育たなかったというのが、惜しいことです。