「可能動詞」と「ら抜けことば」

「可能動詞」と「ら抜けことば」

可能動詞については、本来、四段・五段動詞から作られるものであるが、近年、四段・五段動詞以外でも作ってしまうことが多い。例えば、次のようなものである。
○見る(上一段)→見れる(本来は「見られる」)
○捨てる(下一段)→捨てれる(本来は「捨てられる」)
これらは、「ら抜けことば」や「れ足すことば」などと言われている現象である。また、文語文法の指導の際には、次のような例を一語として扱ってしまう間違いが続出するということが起きる。
○書ける人→基本形を「書ける」としてしまう。(本来は「書く」+「り」の連体形)
○読めるとき→基本形を「読める」としてしまう。(本来は「読む」+「り」の連体形)
これらの文法指導の問題点としては、次のようにまとめることができる。
1文語文法の指導の際、四段動詞の已然形+完了・存続の助動詞「り」の連体形が下接するときに、一語として扱ってしまい、可能動詞と間違いやすいということ。
2口語文法の指導の際、「れ足すことば」や「ら抜けことば」にしてしまいやすいこと。