シュリーマン勉強法

シュリーマン勉強法)
シュリーマンの自伝には、シュリーマンの語学学習法が書かれています。その学習方法は、「シュリーマン語学学習法」と呼ばれ、現在でも影響を与えています。
まず、勉強するにあたって「なぜ勉強するのか?」という動機がしっかりとしていることが前提となっています。「遺跡の発掘」が彼のライフワークですから、そのためには多くの語学を必要としたために、その一環としての語学学習といえるでしょう。ビジネスでの成功も遺跡発掘のための資金ということで、いっそう達成しやすかったともいえます。大目標やミッションに向かって小さい目標をクリアしていくといく方法をとっていることがわかります。
では、その語学学習方法を『古代への情熱−シュリーマン自伝』(新潮文庫)から要約してみます。
○手始めに、文字を書く練習を能書家に教わった。
○6ヶ月間で、英語の基礎を身につけた。
大きな声でたくさん音読する。
ちょっとした翻訳をする。
作文を書き、添削してもらう。
月に二回、教会にいき、よい発音をまねた。
短文や長文を暗誦する。→これによって、記憶力が強くなった。
絶えず本を手放さず、隙間の時間を活用して、単語や文章を暗記した。
○英語に続いて、フランス語を6ヶ月で身につけ、続いてオランダ語スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語の学習を行い、それぞれ6週間で身につけた。
○各国語で書かれた文学書を読むようにした。
ポーランド語、スウェーデン語を学習した。
ギリシア語、ラテン語を学習した。
これらの語学学習法は、多くの言語を身につけるために参考とされてきています。渡部昇一氏(英語・英文学者)と木田元氏(哲学者)との語学学習の対談の中でも、その影響を受けていることが感じられます。二人とも、英語・フランス語・ドイツ語・ギリシア語・ラテン語を習得しています。それぞれの語学学習のコツを示してみます。
渡部昇一
基本的な文法書を読んだら、基本の短文を暗記する。
木田元
一つの言語を毎日ひたすら三か月徹底して勉強する。そうすれば、一つずつマスターできる。そうすれば少なくとも、読むのには不自由しない。
他に、日本人に多く読まれたものとしては、新名美次氏(眼科医)『40か国語習得法』(講談社ブルーバックス)や千野栄一氏(言語学者)『外国語上達法』(岩波新書)などがあります。