「壬申の乱」と「現人神の思想」

 おはようございます。日本歴史上、古代最大の戦乱といえば、壬申の乱(六七二年)です。この戦乱の意義は、天皇が絶対的な権力者(それまでは豪族の長としての性質が強かったのです)となり、天皇の神格化がはじまったことにあります。その戦乱を制した天武天皇を現人神とする思想が、『万葉集』の歌から読み取れます。その代表的な歌を紹介します。
○大君は神にしませば赤駒のはらばふ田井を京師となしつ(大伴御行
○大君は神にしませば水鳥のすだく水沼を都となしつ(作者未詳)
○大君は神にしませば天雲の雷の上にいほりせるかも(柿本人麻呂
(注記)
「大君」 ①天武天皇 ②持統天皇
「都」「京師」 ①飛鳥清御原宮 ②藤原京