仏陀の思想

仏陀の思想」
仏陀(紀元前五六五―紀元前四八五)は、釈迦・釈尊などのいくつかの名前がありますが、本名はゴータマ・シッダルダで、仏陀は「悟りを得た人」という意味です。北インド釈迦族の王子として生まれましたが、二九歳で出家し、バラモン教の身分秩序を批判しました。仏陀は、この世は「四苦八苦」(生・老・病・死・怨憎・愛別・求不得・五陰盛苦)であり、そこから逃れるには、現世へのあらゆる執着を捨てた生を送らなければならないと説きました。この点、現実主義の儒教とは大きく異なります。仏教の中心概念の四方印をまとめると、
一切皆苦(生は苦しみ)
諸行無常(あらゆるものはうつろいゆく)
無法無我(自我への執着をむなしいものとする)
涅槃寂静(悟りの境地は静かな安らぎ)
となります。この仏陀の厭世思想は、インドには根付かずにアジア全域に広まりました。手塚治虫の『ブッダ』という漫画が連載十年かけて完成させた名作です。面白く読めます。