回想法

自分の人生を受け入れる方法
エリクソンは老年期の発達段階を、「統合対絶望」だとしました。人生のよい面と悪い面とを見つめなおし、自分の人生を丸ごと受け入れることが、老年期においては重要で、それができないと、人は自分の生涯を後悔し、絶望の気持ちの中で死ななければならないというわけです。
(回想法−ライフレビュー)
現在、高齢者の心理的ケアの手段として発展している方法として、「回想法」(アメリカの精神科医バトラーの提唱)というものがあります。高齢者が自分の人生を振り返り、他人に語りかけることで、「自分の人生の意義の再確認」「自尊心の向上」「死の不安の軽減」など人生に新たな意義を見出すというもので、幼少期・故郷・学生時代・仕事・家族・恋愛・流行など過去の人生を批判的に検討することで、それまで受け入れられなかった未解決の葛藤が解決されるというものです。他に、認知症患者などのコミュニケーションスキル改善、社会化を促進することを目指す回想法(レミニッセンス)もあります。