日本語・日本文学の時代区分

 こんばんは。今回は、時代区分について考えてみます。歴史学の場合には、人類の誕生から歴史ははじめますが、日本語・日本文学の場合には文字が書かれ、まとまった文学作品が成立するところからはじまります。
  上代奈良時代
  中古(平安時代
  中世(鎌倉時代室町時代
  近世(江戸時代)
  近代(明治から昭和二〇年)
  現代(昭和二〇年から現在)
のように区分されますが、上代と中古を「古代」とまとめたり、中世は「南北朝期・北山文化期・東山文化期・天文文化期」と細分化したり、近世は「寛永期・元禄期・化政期・幕末期」と細かくわけることも行われています。また、近代と現代とは、そこで区別するのがよいかについて諸説ありますが、戦前と戦後とで区分するのがおだやかとされています。
 内藤湖南という中国史学者は、1467年の「応仁の乱」を軸に、日本の歴史を二区分しました。また、金田一春彦という国語学者は、アクセントの歴史を考えたときには、「南北朝の動乱」の時期を境に、アクセントが大変化を起こしていることに注目し、「南北朝の大動乱」の時期を中心に、アクセントを二区分しました。また、大野晋という国語学者は、係り結びの消滅が起こったのは、室町時代からであると考えて、二区分しました。視点の違いはあるものの、室町時代を境に大きく日本語・日本の歴史は変容したといえそうです。