年号の話

こんばんは。みなさんは、年号の読み方には異説があることをご存知ですか。たとえば、慶長は「けいちょう」のほかに「きょうちょう」、享保は「きょうほう」のほかに「きょうほ」などがあります。年号のさまざまな読み方を研究したのが、山田孝雄博士の『年号読み方考証考』です。興味があったら呼んでみてください。
 また、年号寺院というものもあります。つまり、年号を寺院の名前にしたもので、格が高い寺院です。代表的なものとしては、「延暦寺」や「寛永寺」があげられます。やはり、鬼門を封じる意味合いがあるのでしょうね。
 現在の年号は、「平成」ですが、この年号は日本史の上ではタブーとされてきました。つまり、保元年間と平治年間に、「保元の乱」「平治の乱」が起こり武士の世の中になったので、「保―」「平―」という年号は、ずっとタブーとされてきました。「平成」になったら、不景気になりました。大丈夫なのかという不安もあります。「平成」は画数もよくないといわれています。「平成」は、漢籍から取ったものですが、この年号の考案者の安岡正篤は、日本史のタブーなどはあまり気にしなかったようですね。
 最後に、奈良時代には四文字年号が使われていましたので、それらを紹介して、年号改元の理由もつけてみます。
○四文字年号
天平感宝(七四九)
改元理由)陸奥国から黄金が朝廷に献上
天平勝宝(七四九から七五七)
改元理由)孝謙天皇が即位
天平宝字(七五七から七六五)
改元理由)蚕が糸でめでたい文字を書いた・宮中の天井に「天下太平」という宝のようにありがたい字が浮かび上がった。
天平神護(七六五から七六七)
改元理由)不詳
神護景雲(七六七から七七〇)
改元理由)不詳
○年号改元の理由の分類
代始改元
天皇の即位によって改元
祥瑞改元
珍しい現象、めでたい現象がおきたときに改元
災異改元
疫病・地震・火災など不吉な現象がおきたときに改元
革年改元
辛酉の年と甲子の年には革命がおこるとして改元