カタルシスについて

カタルシス」について
カタルシス(心や魂の浄化)ということばは、アリストテレス詩学』に出てきます。アリストテレスは、文学の中でも悲劇の効用を「カタルシス」と表現しました。文学の効用として追体験できることなども指摘されるところですね。また、ピタゴラスは「数学と音楽」はカタルシスになるとしました。ただ、このカタルシスという言葉は、二説あります。
【瀉出(除去)説】―さらに、「比喩的表現説」と「感情瀉出説」とがある。論拠は『政治学』による。
【倫理的浄化(教化)説】―論拠は『ニコマコス倫理学』による。
しかし、岡道夫が述べるように、過度の感情が「瀉出」され、あとに「適度」の感情が残るとするなら、そして同時になんらかの倫理的教化作用が生じるとするなら、瀉出説と倫理浄化説の差異はほとんどなくなります。