話し言葉の特徴

?「話しことば」と「書きことば」
a.話しことば・・口語体。音声言語。アクセント・イントネーション。
話しことば的・・インタビューの記事・エッセイ・広告など。
b.書きことば・・文章体。文字言語。表記や符号。
書きことば的・・講演・演説など。

?話しことばの条件
a.話し手と聞き手が物理的に同じ空間にいること。
b.話し手と聞き手がその場で対面していること(または対面している意識が強いこと)。
c.話し手と聞き手があらかじめ予測できず、相手とのやり取りの中で談話が進んでいくこと。
d.一回性のもので再現や取り消しができないこと。

?話しことばの特徴
1.アクセント・イントネーション・プロミネンス・ポーズが大きな役割を果たす。
2.意思伝達に際し、声のトーン・話し手の表情・場面の雰囲気など非言語要素に大きく依存する。
3.「ええと」「その」などのつなぎ言葉(フィラー)が多い。一般に、会話のとぎれる時間が生まれたとき、相手とコミュニケーションをとる意志のあることを示すために用いられる。
4.語彙は日常生活になじみのあるものが選択され、難解な印象を与える語は敬遠される。
5.相手との人間関係に応じて、俗語や位相語(職業や隠語など)が使用される。女性語も登場する。
6.語彙に縮約形が用いられる(してしまって→しちゃって等)。相手との人間関係に応じて、使用頻度が左右される。
7.格助詞のガ格、ヲ格の省略が多く見られる。
8.話し手の主観を示す感動詞・終助詞・間投助詞が多様される。
9.文構造が比較的単純である。一つ一つの文が短い傾向がある。ただし、一文の長さは短いとは限らず、接続助詞の多様などで冗長になることもある。
10.文の成分の順序が変更されることが多く、省略や倒置表現、文法的に不整合な文も見られる。
11.相手との人間関係に応じた待遇表現が選択される。
12.談話展開に論理性を欠くことが多い。同じ文の反復や言い換えなどが頻繁に起こる。
13.言いさしの文で終わることが多い。
14.動詞の連用形で文を中止することはほとんどない。
15.指示語を用いることが多い。
16.敬語がよく用いられる。
17.漢語の用いられることが少ない。
18.文語的漢文的翻訳的な要素は少ない。




?「文語」と「口語」
a.文語・・『源氏物語』など平安時代に書き記された文章を基盤とするもの、あるいは漢文訓読を基盤とするもの。
b.口語・・明治時代の言文一致運動で形成されて以来、展開しているもの。
「だ」「である」「です」「であります」「でございます」