2011-01-01から1年間の記事一覧

完結・「可能動詞」と「ら抜けことば」

ようやく、ブログで書きながら考察してきた「可能動詞」と「ら抜けことば」についての考えが完成いたしました。国語教育・日本語教育に携わる方の参考になれば幸いです。以下に掲載いたします。 「可能動詞」と「ら抜けことば」の指導法可能動詞については、…

続・「可能動詞」と「ら抜けことば」

山田敏弘(2004)では、学校文法の「書く(五段動詞)→書ける(可能の形)」「食べる(一段動詞)→食べられる(語幹+可能の助動詞)」「する(サ変動詞)→できる(特殊形)」の例をとりあげて、次のように日本語教育を生かした特色ある説明をしている。明治…

「可能動詞」と「ら抜けことば」

「可能動詞」と「ら抜けことば」可能動詞については、本来、四段・五段動詞から作られるものであるが、近年、四段・五段動詞以外でも作ってしまうことが多い。例えば、次のようなものである。 ○見る(上一段)→見れる(本来は「見られる」) ○捨てる(下一段…

語彙的なヴォイスと文法的なヴォイス

「語彙的なヴォイスと文法的なヴォイス」 野田尚史(1991)は、「せる」「させる」を用いた使役を「生産使役」、使役の意味の他動詞を用いた使役を「語彙的使役」とした。それに従うと、「れる・られる」を用いた受身は「生産受身」、受身の意味の自動詞を用…

爪もみ健康法

手相との関連で、「爪もみ療法」を紹介します。 医師の福田稔(ふくだみのる)氏(「爪もみ健康法」「つむじ療法」を提唱した、外科医)は、免疫を上げるためには指の爪の根元を10秒間あるいは10回程度押すとよいと述べています。末端神経を刺激することで、免…

生きる活力・免疫力

最近は、栄養の摂取のし過ぎが問題となっていますね。まさに、「飽食の時代」なのでしょうね。「栄養失調」などという言葉も、死語になりつつあります。1500から2000キロカロリーの摂取が標準といわれていますが、医学博士の帯津良一氏によると、人間は1日に…

無財の七施

仏法の「無財の七施」という教えを紹介します。 財産が無くても誰でも七つの施しができる、 喜びの種をまくことができるという教えです。では、新聞広告から転載いたします。 『雑宝藏経』は、「仏説きたもうに七種施あり。 財物を損せずして大果報を得ん」…

受身動詞と使役動詞

今回は、使役動詞と使役動詞について扱ってみます。 受身動詞と使役動詞自動詞と他動詞によって表される意味として、「受身」と「使役」とがある。例えば、 ○その学生は警察につかまった。 ○子どもは母親からお使いを言いつかる。 ○家が土砂で埋まる。 ○彼は…

幸せな人生に必要な12科目

幸せな人生に必要な12科目 本田健氏の『10代にしておきたい17のこと』(だいわ文庫)の中で、幸せな人生に必要な12科目が述べられています。うなずける点が多いので、列挙してみます。健康 人間関係 心理学 発想法 時間管理 人脈術 金銭管理 ビジネス 目標達…

作家の好む色

作家が作品の中で好んで使う色の研究がありましたので、ご紹介します。夏目漱石・・赤より青を好む・・内閉的性格 石川達三・・青より赤を好む・・行動的な循環気質(躁鬱気質) 与謝野晶子・・紅・紫を好む・・感情と空想の奔逸するロマンチスト 北原白秋・…

文章心理学

○文章心理学波多野完治という心理学者は、「文章心理学」を創始しました。その研究は、文体分析の手段として、文の長短、句読点の多少、品詞別にみた用語の使用頻度、修辞技法、複文・重文・単文の別などをとりあげ、量的な考察を行っています。 波多野完治…

「小春日和」と「麦秋」

「小春日和」と「麦秋」 「小春日和(こはるびより)」と「麦秋(ばくしゅう)」ということばは、間違いの多いことばです。「小春日和」は、晩秋から初冬にかけての暖かな日、初冬の暖かな日です。「麦秋」は初夏をさします。 小春は陰暦十月にあたり、太陽…

靴の好みと心理

靴の好みと心理 (男性) 1黒のオーソドックス型でひも付き 保守的・正義感・調和 2茶のオーソドックス型でひも付き 新しいものに取り組みたい気持ちが強い 3黒の短靴で金具付きでひもなし 進歩的・一流好み・名誉欲 4メッシュの靴 金運がよい・人に指図され…

森岡恒舟〜日本の筆跡鑑定・診断のパイオニア

日本の筆跡鑑定・筆跡診断のパイオニアである、森岡恒舟さんが『致知』の特集で掲載されていました。 森岡恒舟さん(書家・心理学専攻)が、初めて筆跡についての分類を行い、筆跡鑑定と筆跡診断の技術を体系化しました。興味のある方は、著作や日本筆跡診断士…

私の著作について

「著作についてのお知らせ」 著作についての問い合わせを多くいただいておりますので、お知らせします。 著作は「岡田純快(おかだじゅんかい)」の名前で『日本語の味覚』(武田出版・2000円)があります。この本は、一般書や学術書としてマニアの間で評価…

声相21か条

声相21か条 観相家の門脇尚平氏は、人相や声の文化などやを踏まえて、「声相21か条」として次のようにまとめています。 1男で女に似た声の持ち主は、何度も縁が変わる可能性が高い。 2女で男に似た声の持ち主は誘惑が多く、結婚後も心をゆるめると浮名を流し…

東郷平八郎

軍神といわれた、東郷平八郎の筆跡です。NHKの『坂の上の雲』(司馬遼太郎の代表作)では、渡哲也さんが演じていますね。寡黙な人柄がうかがえます。 東郷平八郎は、若いころはおしゃべりでしたが、だんだんと寡黙を心がけたといわれていますね。 また、トイレ…

読書とセルフ・コントロール

「読書とセルフ・コントロール」 一流の人物は、セルフ・コントロールが上手だと言われています。では、セルフ・コントロールはどのように身に着けるのでしょうか?これは、一流の人物に共通する「読書」の習慣にヒントがあると思います。みな、心理学・成功…

日本国憲法の受身文

日本国憲法には、多くの受身の用例があります。試みに調査してみました。 (日本国憲法の受身文)五十二例 1日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、・・。(前文) 2国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。(第十一条)…

松下幸之助の筆跡

松下幸之助の筆跡です。空気が入るように書くのが、開運筆跡のポイントです。

会話と心理

会話と心 会話は、コミュニケーションの手段としては、とても大切です。楽しく会話が弾めば、その後長く付き合いが続きます。名著の誉れの高いデール・カーネギーの『人を動かす』と徳川夢声の『話術』をベースに現代的に、人を不快にさせる言動、人を愉快に…

万葉集と受身表現

おはようございます。 今日は、『万葉集』と受身表現について書いてみました。 『萬葉集』と受身表現 『万葉集』における受身の意味を表す助動詞の例を次に検討することにする。用例調査にあたっては、岩波日本古典文学大系の訓み下しに従った。用例は以下の…

古典における非情の使役

今日は、私がかつて発見した古典の非情の使役の例をあげます。これは、私が昔提出した修士論文の一部です。「非情の受身」については論じられることが多いが、ヴォイス(受身・使役)という立場からは「非情の受身」に対して使役においても、主格に無生物や…

川端善明の助動詞の論

言語哲学の考察に優れた川端善明は、助動詞の特徴について鋭い指摘を行っています。ただ、難解であるため、理解するのに時間がかかるかもしれませんが、味わってみてください。 「基本的に動詞に下接した助動詞は、(1)動詞が述語であることの現実態を形成…

「る・らる」は助動詞か、接尾語か。

今、久しぶりに「る・らる」は助動詞か、接尾語かを考えていました。では、私の論文の一部から転載します。 助動詞説と接尾語説「る・らる・す・さす・しむ・れる・られる・せる・させる」は、品詞論上、意見がわかれる。つまり、「助動詞説」と「接尾語説」…

「る」「らる」の受身根源説

今回は、「る」「らる」の受身根源説を紹介します。私の書いた論文の一部を掲載します。 山田孝雄(1936)が、「る・らる」の原義を受身をととらえた上で、そこから自発が出たとして、 それより一轉して自然にその事現るゝ勢にあることを示す。今これを自然…

「る・らる」の根源は自発?

古典の助動詞「る・らる」の自発根源説には、疑いを持っています。以下、その理由を示してみます。 「る・らる」の意味展開には二説ある。すなわち、 ○受身→自発(自然勢)→可能(能力)→尊敬(敬語)・・山田孝雄 ○自発(自然的実現・勢相)→受身(所相)・…

易の魅力

「易」は特殊な占いです。「占い」というよりも、「人生哲学」や「自然の運行」を大事にするものです。 孔子も編纂したといわれる『易経』をもととしており、文人や学者にも好まれました。学者の好む占いの 筆頭にあげられるのが、易です。十円玉でも簡単に…

「る・らる」と「す・さす」との対応

おはようございます。 最近、いよいよ学位(博士号)を取得するための準備に取り掛かっています。二年計画なので、無事に仕上げたいと思っています。「る・らる」の四つの意味(受身・可能・自発・尊敬)と「す・さす」(使役・尊敬)との意味対応について、…

中国語と日本語

中国語と日本語 中国語は、英語的な要素と日本語的な要素があり、中国人は、語学が得意な方が多いようです。私の環境的に、中国人と接することが多いので、聞いてみたところ、日本の文章を漢字だけ追いかけていけば、何となく意味がつかめるようです。そのた…